フィリピンの感染症は、日本に比べてとても多いです。
これは、フィリピンが熱帯気候で、蚊などの媒介動物が多く、衛生状態が日本に比べて良くないためです。
感染症の種類によっては重篤な症状を引き起こす可能性があるため、フィリピンに渡航する際には、感染症予防の対策を講じることがとても重要です。
そこで今回はフィリピン国内で注意が必要な感染症について説明いたします。
フィリピンの医療状況
フィリピンの医療レベルは日本と比べると一部の都市部を除き、一般的には低いと言われています。
高度な医療や設備が整った病院は都市部に集中しており、地方部では医療の質やアクセスが制限される傾向があります。
また、医療保険制度も整っていないため、医療費の負担は個人にかかります。
フィリピンの病院数は、2021年時点で約1,500院程度です。
日本は、2022年時点で約1万1,000院程度です。
フィリピンの病院数は日本に比べて約12分の1とかなり少ないと言えます。
なので感染症にかかった際に日本の様にすぐに医療機関で診てもらうことが困難です。
このようなリスクを予め想定し、現地の病院に駐在しているジャパニーズヘルプデスクの緊急連絡先を控えたり、海外保険に加入することをお勧めします。
フィリピンで注意が必要な感染症
デング熱
フィリピンの中で最も一般的な感染症がデング熱です。
デング熱は蚊(ヒトスジシマ蚊)によって媒介される病気であり、高熱や筋肉痛、発疹などの症状が現れます。
2023年の保健省データでは1月から5月だけでも感染者数はフィリピン国内で約50,000人にのぼると言われております。
私も2016年10月にアイランドホッピング(現地ツアー)で訪れたパンダヤン諸島で一度感染した経験がございます。
40度近い熱が約1週間体を襲い、そのあとに脱水症状で意識もうろうとなり入院を余儀なくされました。
日本ではデング熱は感染症法で4類感染症全数届出疾患に認定されており、急死に至らない感染症との認識はあるようですが、世界中では年間3億人の感染が確認され20,000人以上が命を落としております。
狂犬病
フィリピンは、狂犬病の流行国です。
患者発生数は、毎年世界の上位10ヶ国に入っており、国内での予防接種率は不十分であるといわれています。
2019年には、フィリピンで1,000人以上の狂犬病患者が発生し、そのうち約200人が死亡しています。
狂犬病は、犬や猫、コウモリなどの動物からヒトに感染するウイルス性の感染症です。
感染すると、発熱、頭痛、筋肉痛、意識障害などの症状が現れ、最終的には死に至る可能性があります。
狂犬病は、予防接種によって完全に予防することができます。
私もフィリピンを訪れる前に3度の狂犬病予防接種を受けました。
一番の回避方法は動物に近づいたり、手を出したりしないことです。
レプトスピラ症
フィリピンは、レプトスピラ症の流行地です。
レプトスピラ症は、レプトスピラ菌によって引き起こされる感染症です。
レプトスピラ菌は、ネズミやその他の動物の尿に含まれており、汚染された水や土壌に触れたことで感染することがあります。
感染すると、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹などの症状が現れ、重症化すると、腎不全や肝不全、髄膜炎などの合併症を引き起こし、死亡することもあります。
重症レプトスピラ症に対する有効な予防法および治療法は未だ確立されていないため死亡率は20%以上と極めて高い感染症として知られています。
まとめ
他にも、マラリア、結核、HIV/AIDS、風疹、水疱瘡などがフィリピンで注意が必要な感染症や病気です。
フィリピンの感染症の発生率は減少傾向にあります。
しかし、依然として感染症は深刻な問題であり、フィリピン政府や医療機関は、引き続き感染症対策に取り組んでいます。
繰り返しになりますが、我々がフィリピンを訪れる際には感染症のリスクを十分に理解しながら生活することが大切です。
万が一上記のような感染症にフィリピンでかかった場合は、すぐに医療機関を受診し、正しい治療や受診を受けてください。
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