国民の94%がバイリンガルというオランダの小学校での英語教育!

講談社の現代ビジネスの記事に、オランダ在住ライター倉田直子さんが書いた「94%がバイリンガルに!オランダ小学校の英語教育はここがスゴイ」と題した非英語圏オランダの小学校における英語教育に関する記事を見つけたので、今後の日本における英語教育に応用できないか、その内容について検証してみました。

 

オランダの小学校

 

EF英語能力指数の2017年度国別ランキング

記事によると、「オランダは非英語圏における英語力世界一と言われており、英語教育に関し50年以上の歴史を持つ国際組織「EF」が非英語圏で毎年実施している英語テストでは、2016年・2017年に2年連続でトップを飾った。」との事。 (ちなみに日本は37位で低スキル判定)

 

→(参考)EF英語能力指数の2017年度国別ランキング(Wikipedia)

 

ところで、上の2017年度国別ランキングを見ていて腑に落ちないことがあります。

 

私のベルギー人の友人は、母国語のオランダ語以外に英語、ドイツ語、フランス語を話すのですが、以前彼と話した時に、彼が「これら4つの言語は非常に似ていて、日本語の方言の方がもっと異なる言語のようだ。」と言っていたことを思い出しました。

 

確かに私も九州の人間ですが、同じ九州でも純鹿児島県人の友人が地元の人と話しているのを聞いた時は、英語の方がもっと理解出来ると思ったほどでしたので、ベルギー人の友人が言っていた事も、もっともな話なのかもしれませんが???

 

ちなみに「この近くに銀行はありますか?」をこれら4か国語で言うと、

 

英語:Is there a bank near here?

オランダ語:Is er hier een bank in de buurt?

ドイツ語:Ist hier eine Bank?

フランス語:Y a-t-il une banque pres d’ici?

 

確かに似ていますが、これらの違いが日本語内の方言の違いと比較してどうかという事は何とも言いきれません!

 

オランダの教育システムについて

話を元に戻してオランダの小学校の英語教育についてですが、まずオンランダにおける教育システムの概要は以下の通りとなっているようです。

 

・義務教育は5歳から18歳の全ての子供達

 

・プレスクール、幼稚園もあるが通学は自由

 

・政府によって融資され各市役所または公的機関によって運営されている公立学校と、組織または財団によって運営されている私立学校に分けられるが、学費については両者とも無料

 

・初等教育と中等教育の2つのレベルに分けられている

 

初等教育

4歳~11歳又は12歳、グループ1~8までの8年間

 

ほとんどの学校ではグループ7(10歳)から英語の授業がスタート

 

*最近ではグループ4(7歳)から始める学校も多い

 

中等教育

 小学校の最終年度に行われる学力テストの結果をもとに最適な中等教育への進路が決められる(保護者や子供の希望も考慮される)

 

中等教育における3つの進路

VMBO:12歳から16歳まで4年間

言語、数学、歴史、芸術と科学の理論的な教育と職業訓練を兼ね備えた授業

 

HAVO:12歳から17歳までの5年間

大学進学や、医師、弁護士などの専門的な教育を目指して行われる

 

VWO:12歳から18歳までの6年間

大学教育までの準備のための教育

3年目の終わりまでに、ドイツ語、フランス語、英語を勉強しなければならない

 

以前ベルギーにおける教育システムについて調べた事がありますが、オランダの方が更に充実しているようにも思えます。

 

→(参考)ベルギー人の友人に教育システムについて聞いてみた

 

ちなみに下の写真は、著者倉田直子さんの娘さんが初等教育6年生(9歳)の時に使用していた英語の教科書兼問題集との事です。

英語の教科書

出典:現代ビジネス 写真/倉田直子

 

今の日本では考えられませんよね?!

 

日本における小学校英語教育の流れ

ところで、現在までの日本の小学校における英語教育の流れを見てみると、

 

2008年度~

 小学5年生及び6年生を対象に年35時間の「外国語活動」としての英語教育がスタート

 

2011年度~

 それまでの外国語活動としての英語教育が必修化となる

 

2020年度~

 「小学3年生からの必修化」及び「小学5年生からの教科化」を明文化

 

移行期間を考えて、段階的ではあるが既に実施されている小学校もあるようです。

 

しかしながら、文部科学省の2015年の調査によると、日本の公立小学校の61,7%は、小学校5、6年生に対してALT(外国語指導助手)と呼ばれるネイティブスピーカーに頼っているのが現状のようです。

 

英語教育に対する制度は出来ても、それを遂行するための教師のレベルを追従させることは、現状の日本においてはかなりハードルが高そうです!

 

ちなみに文部科学省が実施した調査によると、小学校英語教員のうち英検準1級以上等(TOEFLのPBT550点以上、CBT213点以上、TOEIC730点以上を含む)の割合は、約1%似すぎないという事らしいです。(中学校英語教諭では約32%、高校英語教諭で早く62%)

 

オランダの多くの小学校が導入する「groove.me」とは?

著者倉田さんの娘が通う小学校では、すでに初等教育1年生から英語をスタートしているが、その内容は非常にカジュアルで、「勉強」のイメージからはほど遠いものらしいのです。

 

この小学校が導入しているメソッドは、「groove.me」というポップソングを題材に英語を学ぶという教授法だという事です。

 

以下が「groove.me」のサイトです。

groove.me ホームページ

ホームページURL:http://www.groove.me/

 

もちろんオランダ語のサイトなので、ブラウザの翻訳機能を使って日本語に訳してから読んでくださいね。

 

翻訳の方法が分からない方は、以下の記事を参考にして下さい。

 

→(参考)英語を勉強する際の便利な翻訳機能の利用法!

 

groove.me による英語教授法が日本での小学校英語教育にそのまま適用できるとは思いませんが、英語を教育するためのツールの一つとして検討してみる価値はあるかもしれませんね。

 

「groove.me」サイト内動画の日本語訳

この groove.me ですが、ホームページ内に書かれた内容については、ブラウザの翻訳機能を使って見ればその概要についてはおおよそ分かると思いますが、肝心の動画の部分についてはオランダ語が分からなければチンプンカンプンですよね。

 

そこで、母国語がオランダ語であるベルギー人の友人に翻訳を頼みましたので、以下参考にしてみて下さい。

 

但し、「オランダ語→英語」を友人、「英語→日本語」を私という形で行っていますので、オランダ語の分かる人にとっては若干異なる部分があるかもしれませんが、その点はお許しください。(完全な間違いがあった場合はお知らせ頂けると有難いです)

 

*以下の3つのビデオについては、groove.me のサイト内でご覧ください。

 

http://www.groove.me/

Video-1

 

【翻訳文】英語の指導方法

私は、このレッスンを行うことが大好きです。

 

子供たちは音楽に合わせて熱心に歌い、踊ります。

 

groove.me は、子供達が英語のポップ・ソングを使って英語を学ぶ方法です。

 

私は、子供たちがそのようにして英語を学ぶ事が大好きであることに気付かなかった。

 

子どもたちは、聞いたり、話したり、絵を描いたり、掃除をしたりといったさまざまな習得すべきスキルを身に付けていきます。

 

子供達はこれらのレッスンに積極的に関わってくるので、「Groove me」という方法を使ってもっと多くのことを学ぶでしょう。

 

様々な種類の歌が演奏されますが、それらのほとんどは子供達がいつも耳にする、とてもよく知っているポップソングです。

 

音楽に合わせて踊り、行動しなければならない時間を、子供たちは素晴らしいと思っています。

 

【実際の英語レッスンの場面】

 

groove.meは、英語を話すためのとても遊び心のある方法です。

 

子供たちはレッスンに参加するために座席の先端に座っています。

 

レッスンのための準備もとても明確であるため、非常に速く行われます。

 

ある子供 : いつもは楽しく歌を聴いていますが、そこからたくさんのことを学ぶこともできます。 素敵な曲ならそれは本当に頭の中に入り、それを繰り返し続けます。

 

子供たちは歌と踊りが許されているので、紙の上や本から学ぶよりもはるかに優れた英語を学ぶことができます。

 

私は「groove.me」という方法を皆さんにお勧めします。

 

http://www.groove.me/zo-werkt-grooveme

Video-2

 

【翻訳文】groove.me のしくみ

groove.me は、ポップ音楽がすべてのレッスンの基礎となる、初めて英語を学ばせる上での完全な教授方法です。

 

音楽は子供たちに自信と熱意を与えます。

 

groove.me を利用すれば、英語を読んだり、書いたり、話したり、歌いたいと思えるでしょう。

 

教師はデジタル学習環境「Blingstudio」に行きます。

 

あなたは正しいレベルに進み、あなたが与えたい曲に行きます。

 

レッスンAまたはレッスンBのレッスン情報をクリックすると、ワークシートにアクセスできます。

 

すべての素材は Blingstudio を介してデジタルで入手することが可能で、曲ごとにワークシート、レッスンプラン、歌詞、フラッシュカードなどを簡単に見つけることが出来ます。

 

また、レベルごとに学習目標の概要を見ることができます。

 

この方法で、子供たちは各曲のテーマや目標を確認することができます。

 

コアな目的が、ガイドラインから形成されるのです。

 

すべての資料は、オンライン環境で入手する事が可能です。

 

教師はすべての資料を自分で印刷できますし、ワークブックを注文することもできます。

 

groove.Me は、グループ1~グループ8を対象とした digiboard メソッド英語です。

 

groove.Me を利用し、音楽を通して英語を学びます。

 

使用されている音楽は、現代の有名なポップソングやヒット曲などです。

 

毎年、曲の一部がリニューアルされますが、groove.Me は常に最新で魅力的なものに更新し維持しています。

 

この方法は実際に開発されており、ユーザーからのフィードバックによって継続的に更新されています。

 

毎年、レッスンAとレッスンBの2つのレッスンで構成された12曲の歌があります。

 

3曲ごとに繰り返しレッスンがあり、その後テストを行うことができます。

 

各レッスンは、45分から60分間続きます。

 

この Justin Bieber クラスは、レッスンの初めに子供たちが知っていなければならない単語を活性化するための練習から始まります。

 

こうすることで、彼らはすでに知っている情報に新しい情報を簡単にリンクさせることができます。

 

各レッスンでは、先生が子供達との目標(何を学び何をすべきか)について事前に話し合います。

 

【実際の英語レッスンの場面】

 

このレッスンでは、後にクラスで単語スパイダーを個別に作成することによって、事前に知っている知識のリストを作成します。

 

たとえば、このクラス全体ではすでに衣服についての単語が習得されています。

 

【実際の英語レッスンの場面】

 

このレッスンでは、子供たちに衣服やアクセサリーに関する言葉を教えます。

 

彼らはまた、それらの言葉の発音も学びます。

 

彼らはまずペアで作業を始め、次にクラス内で答えが正しいかどうかをチェックします。

 

【実際の英語レッスンの場面】

新しい言葉については、赤と緑のカードを掲げたり、座ったり立ったりすることで、子供たちをより積極的に参加させることができます。

 

次に、子供たちは集中的に発音を聞き、その単語が正しいかどうかを判断します。

 

このことは、生徒自身がワークシート上で1つ以上の練習を始めることを意味します。

 

教師は、ワークシートを画面上で開いてエクササイズを表示し説明することができます。

 

単語、文法、会話、読み書きの練習が扱われます。

 

さらにワークシートは、早く進んだ生徒のために追加の課題を提供します。

 

学習した演習の記録は、購入したワークブック、自分で印刷したワークシート、またはデジタルと紙を組み合わせて完全にデジタルで処理されます。

 

生徒がワークシートをデジタルで処理する場合は、教師が最初に Blingstudio 学習環境にログインするか、基本ボードを介して生徒の作業を計画します。

 

これは、グループ全体または個々の生徒のために行うことができます。

 

生徒は、ラップトップ、PC、またはタブレット上の Blingstar にログインします。

 

そして先生が計画した資料を処理します。

 

Blingstudio では、先生は生徒の結果を確認できます。

 

回答は、ディスカッションのために印刷したり、配布したり、デジボードに表示することができます。

 

生徒たちは話すスキルから始めます。

 

彼らは会話の例を聞き、クラスの前で演奏します。

 

その後、ワークシートと対話して課題4に進みます。

 

【実際の英語レッスンの場面】

 

各レッスンは「カラオケ」で終わります。

 

子供たちは途中で歌詞を読み、どんな場合でもコーラスで歌います。

 

いくつかのレッスンでは、曲から単語を覚えるように教えられます。

 

【実際に歌っている場面】

 

次週からは、ジャスティン・ビーバーからのレッスンBが続きます。

 

3曲と繰り返しレッスンの後、及び7レッスン後にテストを受けることができます。

 

音楽がとても魅力的なので、子供たちは熱心に参加します。

 

Groove.Me は音楽で英語を学んでいるのです。

 

http://www.groove.me/engels-in-de-onderbouw

Video-3

 

【翻訳文】小学校での英語

groove.me は、グループ1から8までのための継続的な学習ラインを提供しています。

 

また、基礎構造のためのレッスンでは、動きと音楽が基礎を形成します。

 

groove.me は保育園教育とテーマ教育に非常によく合っています。

 

私は、子供たちが groove.me を本当に好きなんだという印象を持っています。

 

子供たちはとても熱心なのです。

 

彼らはすぐに英語であることを理解します。

 

グループ3と4では、DJは魅力的でシンプルなポップソングを演奏し、生徒はそれを理解して歌います。

 

私は子供のためのレッスンが本当に好きです。

 

彼らは非常に刺激的です。

 

歌やゲームなどを使ってレッスンをもっと楽しくし、子どもたちに遊び心のある方法で英語を習得させることができます。

 

【実際の英語レッスンの場面】

 

私は多くの視覚資料を持っていますが、 digeboard はとても楽しいものです。

 

もし、ある言葉に直接関連する絵を持っているなら、それを使って学習することはいいことです。

 

私たちはその発音を常に知っているとは限らないため、事前にそれを聞いておくと非常に明確です。

 

あなたは一歩一歩学習することができ、あなたは自分のレベルに合わせてでそれを使用することもできます。

 

あなたは教えるときに、それを教師として選ぶことができます。

 

毎日少しずつ、または週に1回だけ長時間教えることもできます。

 

異なる学習は、別々でも組み合わせてでも使用することができます。

 

私たちはいつも朝の短い休憩の後にそれをやっています。

 

突然時間が出来た場合でも、原則として準備には時間がかかりません。

 

私たちは完璧にそのシステムを信頼しています。

 

そのシステムは、とてもシンプルで教師にフレンドリーです。

 

私たちは現在そのシステムを4ヶ月間使っています。

 

子供たちはすでに簡単な英語でお互いにコミュニケーションを取ることができます。

 

彼らは自分たちが学んだ文章で質問し、答えを出すことができるのです。

 

そして彼らはとても素早く学び、短い会話をすることができます。

 

グループ1とグループ2には、さまざまな時間帯の曲があります。

 

彼らは自発的にそれに参加し、少しの積極性があるだけで、それも英語のレッスンと同じなのです。

 

あなたが何をしている時でも、子供たちは “Are we going to do it again this afternoon?” と聞いてくるでしょう。

 

まとめ

ここでは、非英語圏における英語力世界一と言われているオランダの一部の小学校が採用しているという「groove.me」というシステムを中心に見てきましたが、このシステムを日本も採用しては?と提案しているわけでは全くありませんので誤解のないように!

 

現在日本でも2020年度から実施される「小学5年生からの教科化」に向けて、いろいろな準備検討が行われており、既に段階的ではあるようですが実施されている小学校もあるようです。

 

文部科学省発行の「小学校学習指導要領解説 外国語編」というのを読んでみたのですが、あまりに詳しすぎて途中で読む気がなくなってしまいました。

 

内容的には習得すべきスキルに対して事細かく決められているようです。

 

書かれている内容については、ごもっともな事ばかりなのですが、それらをどんなレベルの先生がどうやって(どんな仕組みを使って)教えていくのか?という事についてもっと時間やお金を使ったほうが良いのでは?というのが正直な感想です。

 

ちなみにオランダ在住ライター倉田直子さんが書いた記事の中で紹介されている「オランダの初等教育における英語教育に関する中核目標」は、以下の内容が全てだそうです。

 

・生徒は、簡単な英語のテキストまたは口頭から情報を得ることを学ぶ。

 

・生徒は、英語で簡単な項目について質問したり、情報を与えたりすることを学び、英語で自分自身を表現しようとする態度を育む。

 

・生徒は、毎日の話題に関する簡単な言葉のスペルを学ぶ。

 

・生徒は、辞書を使って単語の意味や英単語のスペルを調べることを学ぶ。

 

2020年度から実施される「小学5年生からの教科化」は、日本の英語教育に対する大改革でもある訳ですので、受験競争の更なる激化に繋がらないようにしてほしいものです。

 

新しくなった英語教育を受けた子供たちが大人になった時、普通に英語を使いこなせているという時代が来ることを期待してやみません!