リスニング力と自分の発音は一見別ものであるかのように思えますが、何か関係があるのでしょうか?
自分の発音する音が基準になっている!
一般的に人間というのは自分が発音する音を基準にして聞き取っているそうです。
従って、知っている英語の単語やフレーズであっても、自分が発音する音と違う音が聞こえてきた場合は、違う言葉として認識する、或いは認識できないということになってしまうという事です。
これは私がベルギーに駐在していた頃の体験です。
日本では超高級車の「メルセデスベンツ」ですが、ヨーロッパではそこいらじゅうで普通に走っていました。
ある時、現地のスタッフと車の話になった時です。
スタッフの一人が私に向ってしきりに以下の言葉(英語)を言っていたのですが、最初は何の事だか全く理解出来ませんでした。
あなたには分かるでしょうか?
ところが、それを文字で書いてもらったら「Mercedes」、なんと「メルセデス」と言っていたのです。
私はその時まで「Mercedes」の発音は、「メルセデス("r"のところは舌を巻いて)」と発音していたので、「メルスィーディス」とスタッフが言った時は、何のことを言っているのか全く意味不明でした。
すなわち、私が「Mercedes」の正しい発音が出来ていなかった(知らなかった)為に聞き取れなかったという典型的な例ではないでしょうか?
ですから、正確なリスニングを行う為には自分自身で発音する際、正しい英語の発音で言えるようになっていなければならないという事です。
但し、ここでの「正しい英語の発音」という意味は、ネイティブと同じレベルの発音の事ではなく、正しい英語の発音記号とアクセントに沿った発音という意味です。
例えば、良く例として挙げられる「McDonald's」と発音する場合は、以下のような感じで発音できるかどうかという事です。
更にネイティブが喋る会話になると、誰でも知っているような英語の文章でも聞き取れないという現象が生じてきます。
まずは以下の音声を聞き取ってみて下さい。
聞き取れましたか? 文字で書くと以下のようになります。
When are you gonna be back? gonna = going to
(いつ戻ってくるの?)
文字を見れば、ほとんどの人が理解出来ると思います。
しかし、多くの日本人は「gonna = going to」である事は理解していても、実際には「gonna」を使った練習をしていませんのでこの文章が聞こえてきても理解出来ない訳です。
ほとんどの日本人は、以下の音声のように「going to」を使って言われない限り、文字を見れば分かる文章であっても聞いただけでは理解出来ないのです。
自分とネイティブの発音の違いを認識する!
正しい英語の発音を身に付けるのであれば、発音記号とアクセントが正しく言えるだけでなく、ネイティブの発音に近づけることが出来れば更にいいですよね?
ではどうやって自分の発音をネイティブの発音に近づけるかということですが、まずは今の自分の発音がネイティブと比較してどうなのか? ということを知ることが大切です。
その為には、なるべく簡単な文章のものでネイティブの音声が録音されたCDなどを準備し、それと同じ文章を自分で読み録音します。
録音できたらネイティブの音声と録音された自分の発音がどれ位違うのか比較してみて下さい。
おそらくかなりの違いがあると思われますが、ネイティブとの発音の違いが認識できたら、あとはひたすら何度も何度もモノマネし、練習あるのみです。
時々自分の発音を録音して進歩の度合いを把握していきましょう。
モノマネ方式で練習する!
ただこの発音練習の際に、口の形や舌の位置などを鏡を見ながら練習する方法が書かれてあるテキストがよくありますが、細かい事を気にするよりはモノマネ方式でやったほうが進歩が早いと思います。
子供の頃、国語の時間に口の形や舌の位置などを先生から指導された覚えがありますか?
せいぜい 「もっとはっきり言いなさい!」 と叱られたくらいではないでしょうか?
あまり力まずに気楽に練習をしていきましょう!