フィリピン人が貯金できない理由を真剣に考えてみた

 

フィリピンに長く住んでいると、多くの人々がなかなか貯金をできない現状に気づきます。

その原因は、単に収入が少ないだけではなく、生活様式や文化、経済的な事情など、さまざまな要素が絡み合っています。

本記事では、フィリピン人が貯金を難しくしている理由をいくつかの視点から考察し、その背景にある要因を掘り下げていきます。

 

フィリピン人が貯金できない理由

フィリピンでは、多くの人々が日々の生活費や家族への支援に追われ、貯金をする余裕がない現実があります。

最低賃金が比較的低い一方で、物価や医療費、学費などの出費がかさむため、収入を貯蓄に回すことが難しい状況が続いています。

 

そもそも十分な収入がない

フィリピンでは、多くの人々が最低賃金で働いており、その収入では生活費をまかなうのが精一杯です。

特に都市部の物価が高騰している一方で、賃金の上昇はそれに追いついていません。

そのため、食費や家賃、交通費などの基本的な生活費を支払うと、貯金に回す余裕がほとんど残らないのが現状です。

また、労働者の多くが非正規雇用や日雇い労働に従事しているため、収入が不安定で計画的に貯金をすることが難しい状況にあります。

 

収入に対して支出が多い

フィリピンでは、多くの家庭が生活費に対する支出が大きく、収入と支出のバランスが取れないことが貯金できない一因となっています。

生活必需品の価格が高騰しているにもかかわらず、賃金の増加が追いついていないため、食費や光熱費、交通費などの支出が家計を圧迫します。

加えて、教育費や医療費など、予期せぬ出費も頻繁に発生するため、貯金に回せる余裕がない家庭が多いです。

 

購買力が強い

フィリピンでは、購買力が強いことも貯金が難しい要因の一つです。

最新のスマートフォンやブランド品、ファッションアイテムなどの消費文化が根強く、特に若者層はトレンドに敏感で、収入に見合わない出費をしてしまうことがよくあります。

また、友人や家族との付き合いでの外食や旅行、イベント参加など、社交的な支出も多く、貯金を後回しにしてしまう傾向があります。

 

家族を資金面でも支える文化

フィリピンでは、家族を資金面でも支えるという文化が根強く、これが貯金の妨げになることがあります。

特に働いている人が、収入の一部や大半を実家や親戚に送金することが一般的であり、個人の貯蓄よりも家族全体の経済的なサポートが優先される傾向があります。

家族間の助け合いが美徳とされているため、収入がある人は自分の将来のための貯金よりも、目の前の家族のためにお金を使うことが多いです。

 

ウータン(借金)文化の返済に追われる

フィリピンでは、ウータン(utang)と呼ばれる借金文化が広く浸透しており、これが貯金を困難にしています。

日常生活の中で、友人や家族、隣人からお金を借りることが一般的であり、その返済に追われることが多々あります。

医療費や緊急の支出、時には冠婚葬祭などでも借金をすることが多く、利子がかからない場合もあれば、高金利のローンに頼るケースもあります。

 

そもそも銀行口座すらない

フィリピンでは、多くの人がそもそも銀行口座を持っていないことが、貯金の大きな障壁となっています。

銀行口座を開設するためには、一定の初期預金や書類が必要であり、これが低所得層にとっては大きなハードルとなることが多いです。

また、地方や離島部では銀行の支店やATMの数が限られているため、アクセスが難しく、銀行を利用しない生活が一般的です。

 

まとめ

フィリピン人が貯金できない理由は、十分な収入がないことや、支出が多いことに加え、文化的・社会的な要因が大きく影響しています。

購買力が強く、消費に対する意識が高いことや、家族を支えるという文化が根強い一方で、借金に依存する生活スタイルも貯金の妨げとなっています。

また、銀行口座の普及率が低いことも、貯蓄習慣を育てる上での障害となっています。

これらの複合的な要因が、フィリピン人が貯金を困難にしている現状を浮き彫りにしています。

 

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