「betweenとamongの使い方」日本の英語教育がダメだと言われる典型的な実例!

日本人は、大学まで10年間英語を学んだ人であっても、難しい単語は良く知っているのだが、いざ英会話となるとごく簡単な日常会話でさえも出来ない!・・・これはかなり以前から言われ続けている外国人から見た典型的な日本人の姿ではないでしょうか?

 

その理由の一つとしてよく挙げられるのが、「日本における英語教育の問題」です。

 

一言で「英語教育の問題」といっても、英語教員自体の問題・教え方の問題・教材や学習内容の問題・発音に関する問題など様々なものがあります。

 

そこで今回は、英単語に関して間違った教え方をしているものの中から、典型的なものを一つだけピックアップし、その実例についてご紹介したいと思います。

 

between と among の使い方について

一般的に「~間で/に」と日本語訳されている「between」と「among」という単語の使い方についてですが、皆さんは中学校の英語の授業でどのように習ったでしょうか?

 

英語が苦手だったという人でも、以下のように習った覚えがあるという人は多いのではないでしょうか?

 

between →(2つの)間で/に

 

among →(3つ以上の)間で/に

 

私自身も上のように習ったという記憶もありますし、これまでも上記の形で何の疑問も持たず使っていました。

 

ところが、「上の二つの使い方は完全な間違い!」という事はご存知でしょうか?

 

お恥ずかしい話ですが、私もつい最近になって知ったんです!

 

これこそが、日本の英語教育がダメだと言われる典型的な一例だと思います。

堂々と間違った内容を教えている実例!

以下の動画は、株式会社トライのグループ会社が運営している映像授業 Try IT(トライ イット)の動画の中の一つです。まずはご覧ください。

 

この動画の中で、講師は以下の二つの例文を挙げて、betweenとamongの使い方を解説しています。

 

1.Nancy divided the cake ________ her two sons.

 

2.Jane divided the cake ________ her three sons.

 

上の例文で、

 

1は「two」だから正解は「between

 

2は「three」だから正解は「among

 

と解説しています。

 

このこと自体は、この動画を作成した会社だけがこのように教えている訳ではなく、日本にあるほとんどの学校がこれと同じ内容で教えていると思います。

 

また、この動画に出ている講師の英単語に対する発音も気になるところですが、それも含めて「完全に受験のための英語のお勉強」といった感じですね。

 

念のため、上記二つの例文の答えについて、オンライン英会話スクールのネイティブ講師に確認したところ、「betweenamong の使い方については多くの例外的なものがあるので、一言で全てを説明するのは難しいという事で、解説されているページのURLをいくつか送って頂きました。

 

この解説ページから何か新たな事実が判明した場合は、この記事へ追記していきたいと思います。

ネイティブ講師による正しい解説

以下は、チャンネル登録者数347万人、動画数1,088本(2020年1月現在)という世界中の英語学習者に利用されている超人気の英語学習チャンネル「EnglishClass101.com」内の動画です。(betweenamong に関する部分のみ抜粋しています)

 

講師の話すスピードが速すぎるという方は、再生速度を少し遅くすると聞き取りやすくなりますので試してみて下さい。(YouTube動画右下の歯車アイコン → 再生速度 → 標準 → 0.75 に変更)

 

この動画の中で、まず「between」については以下のように解説されています。

 

We can use between for more than 2 objects, but the objects should belong to the same category.

(betweenは3つ以上の対象物に使用できるが、対象物は同じカテゴリに属している必要がある。)

 

つまり、同じカテゴリに属している(又は関連性がある)対象物の間という意味で使われる場合は、その対象物は3つでも4つでもそれ以上の場合でも「between」を使用できるという事です。

 

以下は、「between」を使った例文です。

This is the alliance between the five countries.(これは、その5か国間の同盟である。)

 

次に「among」については以下のように解説されています。

 

We use among in situations where one object (or one individual,of one pair of people) is surrounded by many other things that are all the same.

(1つのオブジェクト(または1組の人々の1つの個人)がすべて同じである他の多くのものに囲まれている状況で使用する。)

 

Use among with countable nouns in the plural form.

(複数形の可算名詞と共に使用する。)

 

以下は、「among」を使った例文です。

We walked among the trees.(木々の間を歩いた。)

 

なお、日本語による解説動画もありましたので、ネイティブ講師による解説が分かりにくかった方は、以下の動画を見ると分かり易いかもしれませんので、参考にして下さい。

 

文部科学省の教育改革で日本の英語教育は変われるか?

文部科学省の教育改革により2020年度から開始される「小学3年生からの必修化」及び「小学5年生からの教科化」と伴い、日本の英語教育も大きく変わりそうです。

 

以下は、2020年度より小学校5年生で使用される予定の英語のテキスト「NEW HORIZON(東京書籍発行)」の中で、betweenamong が使用されているページです。

 

between が含まれているページ

text-between

between が使用されている箇所の文章

Between the 1970s and 2010, about 740,000 square kilometers of the forest disappeared.

 

among が含まれているページ

text-among

among が使用されている箇所の文章

For one summer, Michio lived among the Inuit people in that Alaskan village.

 

上のテキスト内の文章を見てみると、これまでの教科書よりはましかと思うのですが、このようなテキストを使用して、はたして正しく教える事が出来るかどうかは別問題かもしれませんが・・・。

 

いずれにしても、日本における今後の英語教育が少しでも実効性があり、「日本人はみんな英語が話せるんだな~」と外国人から言われるようになることを祈ります!

 

 

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