フィリピンは近年急速な経済成長を遂げており、昨年2022年の経済成長率は7.6%と東南アジアで最も高い成長率を記録しています。
これは急激な人口増加による経済成長と言われており、2050年には人口が2億人に達すると言われています。
そこで今回は止まらない経済成長を続ける、明るいフィリピンの未来についてご説明いたします。
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フィリピンが人口増加をし続ける理由
人口増加については2つの理由が考えられます。
1.出生率の高さ
フィリピンの15歳から49歳の女性1人当たりの平均出生率は2022年時点で3.01人です。
これは世界平均の2.38人を遥かに上回る水準です。
出生率が高い理由として、性教育の水準が少し遅れていることやカトリック教徒の割合が高いことが挙げられます。
フィリピンは、カトリック教徒が約80%を占める国です。
カトリック教会は、人工妊娠中絶や避妊を禁じているため、出生率が高くなる傾向があります。
2.若い人口の割合が多い
2022年時点のフィリピンの平均年齢は24歳です。
これは世界平均の30歳を大きく下回る水準です。
若い人口の割合が多い理由には、フィリピンは子供を家族の財産と考える伝統的な価値観があります。
この価値観は出生率の高さに影響を与えていると考えられており、特に貧困家庭では、子供を労働力として活用する傾向があり、若者人口が著しく増加しています。
フィリピン経済の今後
フィリピン経済の未来はとにかく明るいと言われており、特に株式市場では近年フィリピン株に大きな注目が集まっています。
フィリピン経済が明るい理由は以下の通りです。
1.経済成長の持続性
新型コロナウイルス感染症の拡大からの回復に加え、政府の経済対策の効果が寄与しています。
とくに教育・人材育成などの政策を推進しており、高等教育への進学率の向上や、職業訓練の拡充などを通じて、就職率の向上が取り組まれています。
また、雇用創出の促進を通じて、貧困層の働く機会を拡大しています。この取り組みによって、貧困層の生活の安定化が期待されています。
2.海外からの投資の増加
フィリピンは、豊かな自然資源と、人件費の安さなど、海外からの投資に魅力的な条件を備えています。
近年、海外からの投資が急増しており、経済成長の下支えとなっていますフィリピンへの海外からの投資は、2022年のフィリピンへの外国直接投資(FDI)額は、前年に比べて28.5%増の111億ドルとなりました。
これは、ASEAN諸国の中ではベトナムに次いで2番目に高い数字となっています。
3.インフラの整備
2022年時点で、フィリピンの道路舗装率は、約50%と、東南アジアの平均を下回っています。
また、鉄道網は、首都マニラとその周辺地域に限られており、地方間の交通は、道路やバスが主流となっています。
なので、今後インフラの整備が大々的に進められる方針で経済成長の促進が期待されます。
フィリピン政府は、2023年から2028年までの6年間で、インフラ整備に約1兆円を投資する計画を発表しています。
この計画では、道路や鉄道の整備に加え、港湾や空港などの整備も進められます。
まとめ
フィリピンは、政治・経済情勢の不安定さから、経済成長が妨げられてきた歴史があります。
しかし今後、人口の増加による恩恵で、経済規模が大きく成長することになるでしょう。
フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は今後の経済成長率の目標値を6.0%~8.0%としています。
今後も止まらない経済成長を続ける、明るいフィリピンの未来についてさらなる注目が集まるでしょう。
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