フィリピンの「カラオケ」文化|国民に愛される理由とその魅力

 

フィリピンでは、カラオケは単なる娯楽以上の存在です。

家族や友人との絆を深める手段であり、フィリピン人の生活の一部として根付いています。

街角や家庭、さらには会社のイベントでも、カラオケは欠かせない存在となっており、フィリピンの音楽文化を象徴するものです。

なぜカラオケがこれほどまでにフィリピン人に愛され続けているのでしょうか?

 

この記事ではフィリピンで愛されるカラオケ文化について迫っていきます。

 

カラオケ文化の起源とフィリピンへの浸透

カラオケは1970年代に日本で発明され、その後アジア全域に広がりました。

フィリピンにカラオケが初めて登場したのは1980年代のことですが、瞬く間に国民の間で大人気となりました。

当時のフィリピンは、テレビや映画などのエンターテインメントが限られていたため、カラオケという新しい娯楽は人々にとって革新的であり、手軽に楽しめる新しい形の「パフォーマンス」体験として受け入れられました。

 

フィリピン人はもともと音楽が大好きで、歌うことはコミュニティの重要な一部でした。

フィリピンには、地域ごとに歌やダンスを楽しむ伝統があり、歌唱力が高く評価されてきました。

そのため、カラオケの登場はフィリピン人の音楽好きな国民性と合致し、あっという間に日常の中に浸透していったのです。

 

カラオケが愛される理由

1.手軽さとアクセスの良さ


カラオケは、誰でもどこでも楽しめる手軽な娯楽です。

フィリピンでは、カラオケマシンが手軽にレンタルできることから、家庭のパーティーや特別なイベントで簡単に導入されています。また、街中には「Family KTV」と呼ばれるカラオケ付きのバーやレストランが数多く存在し、家族や友人と気軽に訪れることができます。

カラオケボックスも広く普及しており、料金もリーズナブルで、誰でも楽しめる環境が整っています。

 

2.社交の場としてのカラオケ


フィリピンのカラオケ文化は、単に歌うことを楽しむだけでなく、社交の一環としての役割も果たしています。

カラオケは、家族や友人との交流を深める絶好の機会となり、誕生日パーティーやクリスマス、会社のイベントなど、あらゆる集まりでカラオケが行われます。

 

歌を通じて感情を共有し、一緒に楽しむことで、親しみが増し、絆が深まるのです。

 

3.音楽を愛する国民性


フィリピン人は非常に音楽好きな国民です。

多くのフィリピン人は幼い頃から教会や学校で歌を習い、歌唱力を高めてきました。

 

また、フィリピンのテレビ番組では、歌やダンスのコンテストが頻繁に開催されており、音楽は日常生活の中で重要な役割を果たしています。カラオケは、プロの歌手でなくても自分の歌声を披露できる機会であり、誰もがスターになれる場所です。

 

さらに、フィリピン人は家族や友人と共有する文化を重視するため、カラオケを通じて家族や仲間と一緒に音楽を楽しむことができる点も、彼らにとって大きな魅力です。

4.多彩な楽曲とフィリピンオリジナルのカラオケソング


カラオケには、洋楽からフィリピンのポップスやバラードまで、多彩な楽曲が揃っています。

特にフィリピンでは、国内の音楽シーンでヒットした曲や、愛され続ける名曲がカラオケで高い人気を誇っています。

たとえば、オリジナル・フィリピーノ・ミュージック(OPM)はフィリピンの音楽シーンで長く支持され、カラオケでも頻繁に歌われます。これにより、フィリピンの音楽文化をカラオケを通じて次の世代にも伝えることができています。

 

さらに、英語が公用語であるフィリピンでは、英語の歌詞にも親しみやすく、国際的な音楽を歌うことが当たり前となっています。

フィリピン人のカラオケのレパートリーは非常に広く、あらゆるジャンルの音楽を楽しむことができるのです。

 

独自のカラオケ文化

フィリピンのカラオケ文化には、ユニークな側面もあります。

たとえば、地域によってはカラオケ大会が頻繁に開催され、プロ並みの歌唱力を持つ参加者たちが競い合います。

また、フィリピンでは「ビデオケ」と呼ばれる独自の形態のカラオケが存在し、路上や公園などで手軽にカラオケを楽しむことができるのです。

 

さらに、カラオケのリモコンを使って点数を競う「カラオケバトル」は、フィリピンでは非常に盛り上がる瞬間の一つです。友人や家族との点数を競い合うことで、さらに楽しみが増し、場が盛り上がります。

まとめ


フィリピンのカラオケ文化は、単なる娯楽以上に、人々を結びつけ、感情を共有する手段として、国民の生活の一部となっています。

その手軽さとアクセスの良さ、社交性、そしてフィリピン人の音楽への愛情が、カラオケを特別なものにしているのです。

 

これからも、フィリピンにおいてカラオケは、世代を超えて愛され続け、家族や友人、コミュニティをつなぐ役割を果たすことでしょう。

フィリピン人にとって、カラオケは単なる歌ではなく、生活の一部であり、心を通わせる大切なツールなのです。

 

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