日本では月に1回の給料支給が当たり前!とされていますが、世界中の国々では月2回に分けてお給料を支払うところもよくあります。
ここフィリピンは日本とは異なり、月2回の給料支給の方法を採用しています。
では何故2回に分けてお給料を支給しているのか、その中身について解説いたします。
このページの目次
フィリピンの労働の基本条件
フィリピンではフィリピン労働雇用省(Department of Labor and Employment)が労働に関する法律を定めています。
フィリピンでは1日に働く時間は8時間以内と法律で決まっており、それ以上の時間は時間給×1.25倍の割増賃金が支払われます。
またボーナスは12ヶ月間で1回(13th month pay)給料1ヶ月分となっています!
※日本とは違い、フィリピンではボーナス(13th month pay)はアルバイトにも支給されます!
現金支給か振込支給か選べるケースもある
2022年フィリピン中央銀行(BSP)成人人口における調査によると、フィリピンでは15歳以上の銀行口座を保有する割合は65%と約3割強の人は銀行口座を持っていない状況です。
そのため、フィリピンの労働者は現金支給か振込支給か選べるようにもなっています。
※日本では高校生ぐらいになるとみんな当たり前に銀行口座を作るようになりますが、ここフィリピンではATMの数が極端に少ない、あるいは口座を維持するための手数料が高いなどの仕組みが関係しており、口座開設に積極的でない人も一部いるそうです!
月2回の給料支給の理由
ここからはフィリピンで月2回に分けて給料支給されている理由を2つご紹介します。
①給料が入ったらすぐに使ってしまう
お金に関してフィリピン人は計画性がありません。
お給料をもらったその日に「買い物」や「外食」でほとんど使ってしまう人も沢山います。
なぜなら、フィリピンの人はとても楽観的なので「今が楽しければいい!」という一時のノリで散財してしまうからです。
私が働いている職場の同僚も給料の2~3日後に「お金がない...」と言っています。
なので、人によっては月に2回の支給でも使いすぎてしまうために、4回に分けて給料振り込みしてもらう人もいるそうです。
②貯蓄ができない
私が思うにフィリピン人の約半数は貯金をしていません。
収入に比べて医療費や生活費(学費・食費・家賃など)が高いために、貯金をする余裕がないからです。
また国民保険などの福祉システムが不十分なことから、病気をしてしまうと家族や知人同士でお金を出し合って、助け合って生きていく必要があります。
そういったことが理由で貯金ができない、正確に言うと貯金に手がまわらなくなっています。
以前にフィリピン人の知人から「お金を貸してほしい」とお願いされたことがあります。
それも2000ペソ(約5200円)程度の金額でしたが「家族のトラブルでお金がない」とのことでした。貧困が根底にあるんだと...とても考えさせられました。
給料支給体制はフィリピンの貧困が原因?
フィリピン雇用労働省(DOLE)によると、首都マニラ圏での最低賃金(日給)は610ペソ(約1,525円)と日本に比べて約7分の1の労働市場です。
それに付け加えて、国内インフレ率6.0%と物価がどんどん上がってきている為、フィリピンでは余裕のない生活がいつまでも続いています。
2022年時点でのフィリピンの貧困率は18.1%ですが裕福層と貧困の格差は益々広がるとも言われています。
※貧困を理由に国が、「国民が間違った方法でお金を使わない」ためにわざわざ2回に分けて支給しているんだとも感じとれます。
まとめ
以上が、フィリピンでお給料が月2回に分けられる内容となっています。
国民性と貧困この二つが密接にかかわっていると理解していただけたのではないでしょうか?
もし今後、フィリピンが裕福になり、国民性も変わってくるようなことがあれば、日本同様に月に1回の給料支給になるかもしれませんね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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