
OFWは、Overseas Filipino Workerの略で、フィリピンを離れて海外で働くフィリピン人労働者のことを指します。
2023年現在、フィリピンには約1000万人以上のOFWがおり、ASEAN諸国では一番に海外出稼ぎ労働者を送り出す国となっています。
その送金額は推定350億米ドルに達すると言われています。
OFWの特徴
フィリピン人が海外で働く理由は、主に経済的な理由です。
フィリピンは、人口が1億100万人を超える東南アジア最大級の国ですが、経済は未発達であり、一人当たりのGDPは世界で129位(IMF推移)です。
そのため、多くのフィリピン人は、より良い生活を求めて海外に出稼ぎに行きます。
OFW先の国
OFW先として以下の国が多いです
・アメリカ
・サウジアラビア
・シンガポール
・香港
・アラブ首長国連邦
中東はOFW全体の約50%を占める割合と言われております。
また2000年頃に日本に出稼ぎに来るフィリピン人は非常に多く、中でも「フィリピンパブ」で知られるエンターテイナーなどが有名でした。
フィリピン人のOFWの多くは、家事労働者、看護師、建設労働者、農業労働者などの低賃金労働に従事しています。
彼らは、長時間労働や低賃金、差別などの困難な状況に直面していますが、それでも家族を養うために懸命に働いています。
OFWが直面する課題
OFWが直面する課題は下記の通りです。
・低賃金
・劣悪な労働条件
・差別
・暴力
・孤立
これらの課題を克服するためには、OFWの権利を保護するための法律や制度を整備し、OFWが適切な支援を受けられるようにする必要があります。
また、OFWの教育・スキル向上を支援し、より良い仕事を見つけられるようにする必要があります。
OFWとフィリピン経済
OFWは、フィリピン経済にとって重要な役割を果たしています。
OFWが送金する海外送金は、フィリピンの輸出総額の10%以上を占めており、フィリピン経済の成長を支えています。
また、OFWは、フィリピンの文化を海外に伝え、フィリピンの国際的な地位向上にも貢献しています。
その甲斐あって、フィリピン政府はOFWの保護に力を入れており、OFWの権利を保護する法律を制定し、OFWが安全に働ける環境を整備しています。
また、OFWが帰国した後も、再就職や教育などの支援を行っています。
日本との繋がり
2000年代初期までは興行ビザを歌手やダンサーという枠で取得し、日本で働くOFWの数も年々増えておりましたが、そのほとんどはフィリピンパブなどの夜のお店で働くことを目的としていた為に2004年~2005年頃にビザの発給基準が厳しくなりました。
2006年に日本とフィリピンの間で経済連携協定(EPA)が結ばれ、現在フィリピン人の介護分野への参入を認めましたが、日本語能力試験(JLPT)のN3レベル以上の合格が必要といわれており、日本語習得の難しさが原因となり、日本に来るOFWの数は減少傾向です。
それでもなお、厚生労働省が発表した『外国人雇用状況の届出状況』のデータでは、日本で働いているOFWの数は18万人以上で国籍別ランキングでは1位中国、2位ベトナムに次づく3位です。
まとめ
フィリピンから海外で働く移住労働者(OFW)の今後の可能性は、フィリピンの経済成長、海外の労働市場の状況などいくつかの要因に左右されます。
フィリピンの経済が成長すれば、国内での仕事が増え、OFWが海外で働く必要性が減る可能性があります。
一方、海外の労働市場の状況が悪化すれば、OFWはより多くの国で仕事を見つけることができるようになるかもしれません。
またOFWの教育・スキルレベルが向上すれば、より高い賃金の仕事を見つけることができるようになるかもしれません。
いずれにせよ、OFWの今後の可能性は明るいと言えます。フィリピンの経済成長と海外の労働市場の状況が好転すれば、OFWはより多くの仕事を見つけることができ、フィリピン経済への貢献も大きくなるでしょう。

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