オンライン英会話を利用している人の中には、日常英会話を習得したい、或いはビジネス英会話をマスターしたいなどいろいろな目的をもって英会話習得を目指している人がいらっしゃると思いますが、英語の発音に関しては特に意識していないという人も多いのではないでしょうか? ところで、オンライン英会話を利用して英語の発音矯正をする事は可能なのでしょうか?
オンライン英会話の初心者コースなどで学習する場合、スクールによっても異なりますが、各スクールのオリジナル教材や市販教材を使用してレッスンを受けていると思います。
その際、英語の発音が出来ていなければ、その都度講師が正しい発音のお手本を示し、生徒がそれを何度も真似て発音し・・・といったような感じで教わっているというのが一般的なやり方のようです。
生徒側がWebカメラを使用している場合には、講師が生徒の口元を見ながら口の形や舌の位置などを指導するという事をやっているところもあるようです。
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そもそも英語の発音矯正は必要なのか?
それでは英会話初心者が実際に外国の人と英語で会話をする場合、英語の発音が正しく出来ていなければ会話としては成り立たないでしょうか?
そんなことは全くなく、英語がペラペラと言われている人の中にも、完全に日本語英語のような日本語訛りの発音をしている人も数多くいらっしゃるようです。
では英語の発音については、それほど気にする事はないのか? というとそんなこともありません。
以下の例のように正しい発音が出来ないと、全く違った意味になってしまう英単語もたくさん存在しています。
thick(厚い)と sick(病気)
correct(正しい)と collect(集める)
ですのでネイティブ並みの発音が出来るようになる必要は全くありませんが、上の例のような発音の違い程度は身に付けておく必要がありそうです。
フォニックス(Phonics)の重要性!
皆さんは、「フォニックス(Phonics)」というのをご存知でしょうか?
ウィキペディアでは、フォニックス(Phonics)について以下のように定義されています。
【英語において、綴り字と発音との間に規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にさせる方法の一つである。英語圏の子供や外国人に英語の読み方を教える方法として用いられている。】
日本の英語教育では、「A B C D E F G」を「エイビーシーディイーエフジー」と習いますが、それは英語の名前。
実際の音としては、「ア,ブ,ク,ドゥ,エ,フ,グ」といった感じになります。
このように英語の文字と発音との間の規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にさせる方法の一つがフォニックス(Phonics)という訳ですが、日本での英語教育がこのフォニックスを取り入れていない事も日本人が英語が苦手な要因の一つになっているのかもしれません。
*2020年度から開始される小学5年生からの教科化などに代表される英語教育に関する大改革も行われていますので、最新の教育内容にフォニックス(Phonics)が含まれているかどうかは未確認です。
正しい発音が出来るとリスニング力もアップする
英語のリスニングが苦手といった日本人は多いと思いますが、あなたはいかがですか?
では、なぜ多くの日本人は英語の聞き取りが苦手なのでしょうか?
その理由の一つとして、日本人は正しい英語の発音が出来ないからという事が挙げられています。
ではなぜ日本人は正しい英語の発音が出来ないのか?
それは、前述したフォニックス(Phonics)による教育が行われていない事に加えて、日本語には英語のような音節(Syllable)やアクセント・イントネーションといった概念が備わっていない事が大きな要因の一つと考えられています。
まず音節について考えてみると、例えば「環境」という意味を表す「environment」という単語の場合、日本語と英語とでは以下のように異なる数の音として認識される訳です。
日本語 → エンバイロンメント(9つの音)
英語 → en・vi・ron・ment (4音節=4つの音)
アクセントやイントネーションについては、「McDonald's」がよく例に挙げられますが、どんなに英語っぽく「マクド~ナルド」と言ってもまず伝わりません。
発音自体は上手に出来ていなくても、「マツダーナル」のように正しい位置にアクセントを置いただけで相手に伝わってしまうものなのです。
このように、日本人は一つ一つの英語の単語やフレーズなどの正しい発音を知らないために、外国人が喋る音を認識できず聞き取れない! となってしまう訳です。
発音矯正用のコースを設置しているオンライン英会話は?
では現状のオンライン英会話スクールでは、英語の音節・アクセント・イントネーションなどに対してきちんと教えてくれる「発音コース」といったようなものが設置されているのでしょうか?
以下は大手オンライン英会話スクールの中からいくつか選び、発音コースの有無について調べたものです。
■レアジョブ英会話
単独での発音コースはなし
■産経オンライン英会話
単独での発音コースはなし
■クラウティ
単独での発音コースはなし
■hanaso
→ 発音トレーニング
通じる英語を話すのに重要な発音を身につける
日本人が不得意としがちな20個の子音と6個の母音を学べる、関正生先生監修のhanasoオリジナル発音テキストです。
話している英文は正しいのになかなか通じない方にお勧めします。
正しい音を出せるようになっただけで終わらずに、hanaso独自の復習システム(hanasoメソッド)で自然と発音できるように何度も復習を行います。(スクールホームページからの抜粋)
■QQ English
→ 発音クラス
日本人が苦手とする発音を丁寧に矯正
間違えやすい発音を組み合わせた早口言葉を発して、発音を一つひとつ矯正します。発音記号や発音方法も学び、新しい単語でも正しく発音できることを目指します。(スクールホームページからの抜粋)
上記のように、発音矯正に主眼を置いた独立したコースを設けているのは5社中2社のみで、他のスクールは日常英会話コースといったような通常コースの中で発音についての指導も行うといったスタイルをとっているようです。
なお、以下のスクールについてはフォニックスによる指導を明記しているスクールです。
■リップルキッズパーク(子供専用)
→ 通常コース(Let's Go Phonics)
Let'sGoシリーズのフォニックスに特化した教材
■ネイティブキャンプ
→ キッズコース(Let's Go Phonics)
英語の音について詳しく学ぶレッスンです。
発音に特化したレッスンで、アルファベットのそれぞれの母音や子音の発音の仕方や、同じ音を含む言葉はどれかを学習し、ボキャブラリーを増やすことを目的としています。(スクールホームページからの抜粋)
■キッズスターイングリッシュ(子供専用)
→ フォニックス学習
児童向け英会話テキストとして人気のある『Let's Go』シリーズの最新版です。4th EditionではLet’s Readセクショが加わり、フォニックス学習もできるようになりました。(スクールホームページからの抜粋)
■ハッチリンクジュニア(子供専用)
→ 通常コース(Let's Go Phonics)
フォニックス ( Phonics ) とは、英語圏の幼稚園や小学校などで子供達に英語をど うやって読むか、発音するかを教えるのに広く使われている教育方法です。(スクールホームページからの抜粋)
上記のようにフォニックスによる指導を明記しているスクールについては、フォニックス ( Phonics ) が英語圏の幼稚園や小学校などで子供達に対して教育されることを考慮してか、ほとんどが子供専用のオンライン英会話スクールだという事が分かります。
まとめ
発音矯正についての指導を受けられるオンライン英会話スクールとしては、今回調べた中では子供専用のスクールがほとんどでしたが、hanasoのように大人でも受講できるスクールもあるようですので、フォニックスによる指導を一切受けた事がないという方はぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?
自分の発音自体を良くするだけでなくリスニング力もアップ出来るというものですので、英語初心者の人こそフォニックスによる指導を受け、その効果を実感して頂きたいと思います。
という事で、英語の発音を矯正する事はオンライン英会話でも十分可能であるという事が言えそうです!