私のサラリーマン時代の話ですが、「ベルギー工場の立ち上げ業務」をやっていた頃に不思議に感じていた事が一つありました。それは、「ベルギー人の母国語はオランダ語(私が駐在していた地域)なのに、なぜみんなこんなに流暢に英語が話せるのだろうか?」という事でした。
今回この件について、その当時からの友人で現在も交流が続いているFさんに改めていろいろと質問してみました。
ベルギー教育のベースとなるスクール体系について
【Hasselt にある小学校】
Elementary School (日本の小学校に相当):6年間、7歳~12歳
Secondary School (日本の中学・高校に相当):6年間、13歳~18歳
*Secondary School は、2年ずつが3回に分かれていて、2年ごとに生徒の興味のある方向(分野)を選んで変更することが出来る。
University (日本の短大・4年生大学に相当):19歳~
*University は、専攻分野によって3年、5年、6年以上(医者など)に分かれる。
大学のコースは、学士課程と修士課程に分かれていて、通常、学士課程は3年間、修士課程は2年間。
学生は、学士課程終了後、学士号を取得し仕事につくことも出来る。
また、学士課程や修士課程を通常の年数以上に学習内容をアレンジすることも出来る。
Elementary School 及びSecondary School の1学年の期間は9月から翌年の6月まで、University は、9月又は10月にスタートし翌年の6月又は7月で終了する。
Elementary School は、1レッスン50分で週当たり約 28レッスン(1日あたり5~6レッスン)
Secondary School は、1レッスン50分で週当たり約 32レッスン(1日あたり6レッスン)
University は、受講科目によって1レッスンが 60分、90分、120分と異なる。
【バケーションについて】
Elementary School 及び Secondary School
7月~8月の夏休み、クリスマス~新年の2週間の休み、イースター期間中の2週間、秋と春の中間期にそれぞれ1週間の休み
University
7月~9月の夏休み、その他の休みは大学によっても異なるが、ほぼ Elementary School の休みと同じ
ベルギーでの英語教育は?
ベルギーの英語教育は、以前の日本とほぼ同じで Secondary School の1年生(日本の中学 1年)から始まるとの事で、現状日本では小学校の5年生から「外国語活動」という事で必修化されましたから、英語学習のスタート時期としては現在では日本の方が少し早くなっているという事ですね。
但し、ベルギーでの英語の授業を行う先生は、そのほとんどがベルギー人ではあるにもかかわらず、全ての英語教師が完璧な英語の発音が出来る人ばかりだという事です。
このあたりは、非常に悲しい事ですが日本人の英語教師とは大きく異なる点ですね!
またベルギーの英語の授業で使用されているテキストについてもどのようなものが使用されているのか知りたいところですので、現在私の友人に代表的なものを入手できないか頼んでいるところです。
もし入手できたら、このページで紹介させて頂きます。
日本の文部科学省もやっと日本人の英語教育に対して真剣に取り組みつつあるようですので、私たちの頃よりはかなり進歩するものと期待していますが、英語教師に関しては外国人を補助につけたとしても、まだまだ改善の余地が大いにありそうですね。
では、英語教師のレベルさえアップすることが出来れば、日本人は英語を話せるようになるのでしょうか???
オランダ語と英語は似ている!
ベルギーの友人いわく、
「英語とオランダ語は似ているところがあるため、オランダ語を話すベルギー人が英語を習得することはそれほど難しくない」
という事らしいのです。
私もベルギーのハッセルトという町に暮らしていた頃、お年寄りの方については簡単な英語さえ理解できない人も結構いたので、私自身簡単なオランダ語を習う必要がありました。
そこで私の知っているオランダ語でちょっとだけ比較してみると、
日曜日、月曜日
英語:Sunday、Monday オランダ語:Zondag、Maandag
おはようございます
英語:Good morning オランダ語:Goedemorgen
私には子供が二人います
英語:I have two children. オランダ語:Ik heb twee kinderen.
まあ似ていると言われるとそうなのかも知れませんが、日本の方言の違いと比較したらどうなのでしょうか?(全く異なる地域もありますが)
更に友人いわく、
「英語と日本語は非常に異なる言語なので、日本人が英語を話せるようになるのは簡単な事ではないと思う。」
全くその通りなのですが、日本人の中にも海外生活や留学の経験が全くないにもかかわらず、完璧な英語を話せる人も数多くいるわけで、相当な努力は必要なのでしょうが、純粋な日本人であっても英語をマスターすることは不可能ではないようですからね。
また、国際社会の中で特にグローバル企業と呼ばれる会社を目指している人にとっては、英語を話すという事は今後ますます必要というか当たり前の時代になってきていますので、異なる言語と分かっていても習得していかなければならないツールの一つであることには間違いないでしょう!
ベルギーと日本との生活環境の違いについて
【Hasselt の中心部】
私がベルギー駐在時代に暮らしていたハッセルトという町での事になりますが、この地域では私が訪れた友人宅の全てでケーブルテレビが引いてあって、オランダ語の字幕入りの番組も当然ありましたが、フランス語やドイツ語だけの放送のもの、英語放送のみのアメリカ映画やドラマなど、外国語に触れる機会が非常に多いと感じました。
ある友人宅では、Elementary School に入る前の子供さんが大好きなアメリカのテレビ番組をいつも見ていたそうなのですが、その番組はオランダ語の字幕もない英語のみの放送で、周りの人が一切英語を教えていなかったにもかかわらず、いつの間にか英語を理解していたそうです。
日本でも例えばアメリカのドラマを日本語の字幕なしで見ることも可能ですが、英語を習得することにかなりの意欲をもって取り組んでいる人は別として、一般の日本人はそのほとんどの人が吹き替え版又は日本語字幕で見ているのではないでしょうか?
やはり生活環境の違いというのは、かなり大きく影響しているものと思われますので、あなたも可能な限り英語に接する機会が多くなるような生活環境作りについて考えてみてはいかがでしょうか?